「給料を上げれば応募が来る」は本当か?約1万件のデータから見えたドライバー採用の現実
HR LaboX DRIVER RECRUITING INSIGHT
「給料を上げれば応募が来る」は本当か?
約1万件のデータから見えたドライバー採用の現実
ドライバー採用で応募が集まらないとき、「給与を上げた方がいいのではないか」と考える採用担当者は少なくありません。
実際、HR LaboXに蓄積された約1万件の応募者データを集計すると、仕事選びで最も重視されていたのは「給与」でした。
では、給与を上げれば応募は増えるのでしょうか。
データを詳しく見ると、そう単純ではないことが分かります。
2位は「仕事内容」、3位は「勤務地」。さらに「日払い・週払い」「勤務時間」も上位に入っています。
求職者が見ているのは、給与額だけではありません。
この記事の結論
求職者が探しているのは、
「給与が高い仕事」だけではない。
「自分の生活と仕事内容に対して、その給与に納得できる仕事」を探している。
本記事では、HR LaboXに蓄積された約1万件の応募者データをもとに、ドライバー求職者が何を基準に仕事を選んでいるのか、そして応募につなげるために求人企業が何を伝えるべきなのかを考えます。
ドライバー求職者は何を重視している?約1万件のデータから見えた歴代ランキング
まず、これまで蓄積された応募者データから、仕事選びで重視されている項目をランキングにすると、次のようになりました。

| 順位 | 仕事選びで重視する条件 |
|---|---|
| 1位 | 給与 |
| 2位 | 仕事内容 |
| 3位 | 勤務地 |
| 4位 | 日払い・週払い |
| 5位 | 勤務時間 |
| 6位 | 勤務日数 |
| 7位 | 職場環境 |
| 8位 | 寮・社宅 |
| 9位 | 雇用形態 |
| 10位 | 勤務開始日 |
1位は給与でした。
しかし、注目したいのは給与だけが重視されているわけではないことです。
2位には仕事内容、3位には勤務地が入りました。
実際、給与・仕事内容・勤務地という上位3項目だけで、回答全体のおよそ6割を占めています。
さらに「日払い・週払い」「勤務時間」まで含めると、上位5項目で全体の8割を超えます。
HR LaboX INSIGHT
上位に並んでいるのは、ほとんどが「働く生活」に直結する条件
いくらもらえるのか。何をするのか。どこで働くのか。いつ給与を受け取れるのか。何時から何時まで働くのか。求職者は、会社の魅力を比較する前に、自分の生活に仕事を当てはめられるかを確認していると考えられます。
給与は1位。それでも「給与を上げれば採用できる」とは限らない
ランキングだけを見ると、「やはり給与を上げることが一番重要なのではないか」と感じるかもしれません。
もちろん、給与は重要です。
給与条件が競合求人と大きく離れていれば、比較された際に不利になる可能性もあります。
しかし、今回のデータから読み取るべきなのは、「給与だけ高くすればいい」ということではありません。
なぜなら、給与のすぐ後ろに仕事内容、勤務地、支払い方法、勤務時間が並んでいるからです。

この違いは、給与額そのものではありません。
求職者が応募前に知りたいのは、「その金額をもらうために、実際にはどのような仕事をするのか」という部分です。
同じ月収35万円でも、配送する荷物、1日の件数、配送エリア、残業時間、積み降ろし方法などが分かれば、仕事の負担や1日の生活を具体的に想像できます。
「この働き方で、この給与なら納得できるか」
求職者は、金額だけではなく、自分の生活と仕事のバランスを見ながら判断していると考えられます。
直近データでも「給与」と「仕事内容」はほぼ同じ
この傾向は、歴代データだけではありません。
HR LaboXが2026年7月に実施した応募者アンケートでは、仕事選びで重視する条件の1位は給与23.73%、2位は仕事内容22.88%でした。
その差は、わずか0.85ポイントです。

長期的なデータでも直近データでも、給与と仕事内容が上位に並んでいる点は変わりません。
求職者にとって、「いくらもらえるか」と「何をしてその給与を得るのか」は、切り離しにくい条件だと言えそうです。
求職者は「良い会社」より先に「自分の生活に合う仕事」を探している
今回のランキングを、別の角度から見てみます。
上位に並んだ条件は次の5つです。
- 給与:いくら稼げるのか
- 仕事内容:何をするのか
- 勤務地:どこで働くのか
- 日払い・週払い:いつ収入を受け取れるのか
- 勤務時間:何時から何時まで働くのか
これらはすべて、求職者の日常生活と直接つながる情報です。
求人では「アットホームな職場」「風通しの良い会社」「社員を大切にしています」といった会社の魅力を伝えることも大切です。
ただ、その前に求職者が知りたいのは、もっと具体的な「働いたあとの自分」です。
自分はいくら稼げるのか。何を運ぶのか。何時に家へ帰れるのか。
通勤できる場所なのか。この働き方を続けられるのか。
求職者が求人を見ながら確認しているのは、このような生活に直結する情報です。
HR LaboXの見解
求職者は「良い会社」を探す前に、
「自分の生活に合う仕事か」を判断している。
働く生活を具体的に想像できる情報を揃えることが、応募前の不安を減らすうえで重要です。
「給与が高い」から「給与に納得できる」求人へ
ここから、採用企業が考えるべきことも変わります。
給与競争だけを続ければ、競合企業がさらに高い給与を提示した瞬間に、条件面で負けてしまう可能性があります。
一方で、給与額と一緒に「なぜこの給与になるのか」「その給与でどんな仕事をするのか」「どのくらいの負担があるのか」まで伝えられれば、比較の軸そのものが変わります。

ここで重要なのは、給与を低くしてもよいという話ではありません。
市場に対して適切な給与条件を設定したうえで、その給与と仕事内容の関係を求職者が理解できる状態にすることです。
「なぜこの条件なのか」まで伝えられる求人は、金額だけで比較されにくくなります。
給料を上げても応募が来ない求人に足りない5つの情報
では、給与条件を見直しても応募につながらない場合、求人では何を確認すればよいのでしょうか。
HR LaboXでは、大きく次の5つの視点で確認することをおすすめします。
1.その給与になる「根拠」
「月収35万円可能」と書くだけでは、その金額をどのような働き方で実現できるのか分かりません。
基本給、手当、勤務日数、残業時間など、その月収例がどのような条件で成り立っているのかまで伝えます。
2.実際に何をする仕事なのか
「2tドライバー」「4tドライバー」「大型ドライバー」といった職種名だけでは、実際の働き方までは分かりません。
荷物、配送件数、配送エリア、走行距離、使用車両など、1日の仕事を想像できる情報を具体的に記載します。
3.仕事の負担が判断できる情報
同じ給与、同じ車格でも、積み降ろし方法や荷物の重さによって仕事の負担は大きく異なります。
「楽な仕事です」と企業側が決めるのではなく、手積み・手降ろし、カゴ台車、パレット、待機時間などの事実を伝え、求職者自身が判断できる状態を作ります。
4.働く1日を想像できる情報
出勤時間だけではなく、積み込み、配送、休憩、帰庫、退勤までの流れが分かると、「実際に働いたら何時に家へ帰れるのか」まで想像できます。
1日の流れの例
6:30 出勤・点呼
7:00 積み込み・出発
8:00 配送開始
12:00 休憩
13:00 午後の配送
15:30 帰庫
16:00 日報・退勤
5.給与と働き方の「つながり」
最も重要なのは、給与と仕事内容を別々の情報として並べるのではなく、
「この働き方をすると、このくらいの収入になる」
という関係を見せることです。
求職者が「この仕事なら、この給与に納得できる」と判断できる状態を作ることが、給与だけに頼らない求人設計につながります。
求人広告は「応募させる広告」から「判断できる情報」へ
求人広告では長い間、「高収入」「未経験歓迎」「稼げます」「アットホームな職場」といった、魅力を強調する表現が多く使われてきました。
しかし、求職者が複数の求人を簡単に比較できる現在では、魅力を強く見せるだけでは十分とは限りません。
むしろ重要なのは、
「この仕事は自分に合う」と
求職者自身が判断できること。
給与、仕事内容、勤務地、勤務時間、仕事の負担。
求職者が応募前に知りたい情報を具体的に提示することは、単に応募数を増やすためだけではありません。
「思っていた仕事と違った」という応募後のミスマッチを減らすうえでも重要です。
HR LaboXが考える求人設計
応募数を最大化するために情報を減らすのではなく、
納得して応募できる情報を増やす。
「応募させる求人」ではなく、「求職者が判断できる求人」を作ることが、これからの採用ではより重要になります。
応募が来ないときの求人チェックリスト
ここまでの内容を、実際の求人を見直すときに使えるチェックリストにまとめました。
「給与が低いか、高いか」だけを見るのではなく、求職者が応募するための判断材料が揃っているかという視点で確認してみてください。

採用担当者の「それ、どうなの?」に回答
まとめ|求職者が見ているのは「高いか」だけではなく「納得できるか」
- 約1万件の応募者データでは「給与」が仕事選びの1位
- 仕事内容・勤務地など、働く生活に直結する条件も上位
- 2026年7月の調査でも、給与23.73%、仕事内容22.88%とほぼ同率
- 給与額だけでなく「その給与でどんな仕事をするのか」を伝えることが重要
- 求人は「応募させる広告」ではなく「求職者が判断できる情報」へ
給与は、ドライバー求職者にとって重要な条件です。
だからといって、給与を上げれば自動的に応募が増えるとは限りません。
求職者が知りたいのは、
「その給与をもらうために、自分はどんな仕事をするのか」
ということです。
求職者が「この働き方なら、この給与に納得できる」と判断できる求人を作る。
それが、給与競争だけに頼らないドライバー採用につながるのではないでしょうか。
この記事を30秒でまとめると
- 給与は重要。ただし給与だけでは決まらない
- 仕事内容・勤務地・勤務時間も一緒に比較される
- 重要なのは「高い給与」より「納得できる給与」
- 求人では、給与と働き方をセットで伝える
- 求職者が自分で判断できる求人を作る
データについて
集計主体:HR LaboX
集計内容:応募者が仕事選びで重視する項目
データ規模:約1万件の応募者回答データ
※本記事では、HR LaboXに蓄積された応募者データをもとに仕事選びの傾向を分析しています。
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