トラックドライバーのボーナス実態|平均額と会社の見分け方
トラック運送業界では、ボーナスの有無や金額が会社によって大きく異なります。求人票に「賞与あり」と記載されていても、その詳細を正しく把握しないまま転職すると入社後に想定外のギャップが生じるリスクがあります。
トラックドライバーのボーナスは、車種・経験年数・会社規模・給与体系によって水準が異なります。また、歩合制を採用している会社では月収でボーナス分を補う構造になっていることも多く、単純にボーナスの有無だけで待遇を判断するのは得策ではありません。
そのため、転職先を選ぶ際は、ボーナスの有無だけでなく、月給・手当・歩合・年収全体のバランスを確認することが大切です。この記事では、トラックドライバーのボーナス相場・歩合制との関係・ボーナスが出る会社の見分け方を解説します。
ボーナスだけでなく給与全体の構造を正しく理解することで、自分に合った運送会社を選ぶ判断軸が明確になります。ぜひ転職する際の会社選びの参考にしてください。
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トラックドライバーにボーナスはある?基本的な実態
トラック運送業界では、ボーナス(賞与)が支給される会社と支給されない会社が混在しているのが実態です。製造業や公務員のように「ボーナスは当然あるもの」という前提は通用しないため、入社前の確認が欠かせません。
一方で、ボーナスがない分を月々の歩合給や各種手当で補っている会社も多く存在します。そのため、ボーナスの有無だけで待遇の良し悪しを判断するのは難しい業界です。まずはボーナスが少ないといわれる理由を理解したうえで、給与全体の構造を把握することが大切です。
ボーナスが少ないといわれる理由
トラックドライバーのボーナスが一般的な水準より低いといわれる背景には、業界特有の給与構造があります。
全日本トラック協会の調査によると、男性ドライバーの月額賃金に占める変動給の割合は平均41.6%に達しており、大型ドライバーに限ると47.1%と約半分が変動給です。つまり、月々の歩合給や時間外手当によって収入を確保する仕組みになっているため、そもそもボーナスの原資として企業が留保できる固定的な余力が小さくなりやすい構造といえます。
加えて、運賃の低下や燃料費の高騰といった業界構造的な課題も、企業の賞与原資に影響を与える要因です。そのため、「ボーナスが少ない」のではなく「月給・手当で稼ぐ仕組みになっている」という見方が、より実態に近い理解といえます。
参考:トラック協会「2024 年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」
トラックドライバーのボーナス相場|平均と稼げる目安

同じドライバーでも、運転する車種や勤続年数によってボーナス水準は大きく異なります。そのため、ボーナスの実態を把握するには、業界全体の平均値だけでなく、車種・経験年数といった切り口で数値を見ることが重要です。
以下では、トラックドライバーのボーナス相場を車種別・経験年数別にそれぞれ解説します。
車種別(けん引・大型・中型・準中型・普通)のボーナス比較
大型や中型などの車種別に、トラックドライバーのボーナス水準をまとめました。
| 車種 | 賞与1カ月平均額※ | 月額賃金 | 賃金+賞与(月額) |
|---|---|---|---|
| けん引 | 56,600円 | 404,200円 | 460,800円 |
| 大型 | 40,600円 | 379,600円 | 420,200円 |
| 中型 | 33,600円 | 322,700円 | 356,300円 |
| 準中型 | 47,800円 | 344,500円 | 392,300円 |
| 普通 | 61,800円 | 342,800円 | 404,600円 |
※賞与は1カ月平均額(年間の賞与額を月額換算したもの)
月額賃金に関しては、免許・技術の希少性が高いけん引・大型ドライバーが高い傾向があります。
一方、賞与1カ月平均額をみると、普通ドライバーが61,800円と最も高く、けん引(56,600円)がこれに次ぐ結果です。大型ドライバーは40,600円とやや低めですが、変動給の比率が高いため、月収ベースでの稼ぎが大きい点を合わせて理解しておく必要があります。
参考:トラック協会「2024 年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」
経験年数別のボーナス推移
続いて、経験年数別のボーナス推移を見てみましょう。
以下は、大型ドライバーの経験年数別のボーナス金額です。
| 経験年数 | 年間賞与 |
|---|---|
| 0年 | 45,700円 |
| 1〜4年 | 333,500円 |
| 5〜9年 | 391,900円 |
| 10〜14年 | 427,600円 |
| 15年以上 | 491,100円 |
以下は、大型を除いたドライバーの経験年数別のボーナス金額です。
| 経験年数 | 年間賞与 |
|---|---|
| 0年 | 110,200円 |
| 1〜4年 | 243,700円 |
| 5〜9年 | 361,200円 |
| 10〜14年 | 329,500円 |
| 15年以上 | 534,600円 |
経験年数が増えるほどボーナスは増加する傾向がありますが、10〜14年では伸びが一時的に鈍化しています。この時期は40〜50代前半にあたり、体力的な負荷が高い長距離・深夜ルートをセーブし始めるドライバーが増えることや、管理職への移行で給与体系が変わるケースがあることなどが背景として考えられます。
その後、15年以上のベテラン層では再び大きく伸びており、長く働くほど待遇が改善される傾向が読み取れます。
歩合制がボーナスに与える影響
トラック業界では歩合制(変動給)が広く普及していますが、歩合制の採用はボーナス水準と密接な関係があります。歩合制の仕組みを正しく理解することで、年収全体を適切に比較できます。
歩合制の仕組みとボーナスの関係
歩合給とは、走行距離・積載量・配送件数など、その月の勤務実績に応じて上乗せされる報酬です。
トラック業界では「運行手当」「長距離手当」「トンキロ手当」といった名称で支給されることが多く、全日本トラック協会のデータでも、大型ドライバーの変動給に占める歩合給の割合は50.6%と約半分を占めています。
歩合制の構造では、基本給が低めに設定される代わりに変動給で月収を積み上げます。そのため、賞与の算定基礎となる基本給の水準が低くなり、結果としてボーナス額が小さくなりやすい仕組みです。
固定給モデルと歩合制モデルの年収内訳を比較すると、以下のようなイメージになります。
| 項目 | 固定給モデル(例) | 歩合制モデル(例) |
|---|---|---|
| 基本給(月額) | 250,000円 | 180,000円 |
| 歩合・手当(月額) | 50,000円 | 150,000円 |
| 月収合計 | 300,000円 | 330,000円 |
| 年間賞与(例) | 600,000円 | 240,000円 |
| 年収合計(概算) | 4,200,000円 | 4,400,000円 |
※上記はあくまでイメージ例であり、実際の金額は会社・個人の実績によって異なります
このように、ボーナス単体では差が大きくても、年収トータルでは大きな差が生じないケースも少なくありません。
歩合制のメリットとデメリット
歩合制は「稼ぐほど収入が増える」という点が最大のメリットです。努力や運行実績が直接収入に反映されるため、モチベーションを維持しやすい面があります。また、ボーナスが少なくても年収として十分な水準を確保できるケースも多く存在します。
一方でデメリットもあります。ボーナスが少ない・あるいはない場合、まとまった出費(住宅購入・車の購入・進学費用など)への対応が難しくなる可能性があります。さらに、体調不良や天候不順で稼働できない期間は収入が大きく落ち込むリスクもあるため、固定給モデルと比べて収入の安定性は低くなります。
ボーナスで会社を選ぶならここを見る|失敗しない見分け方

転職・就職時の求人票に「賞与あり」と記載されていても、支給金額や条件は会社によって大きく異なります。
この章では、ボーナスで会社を選ぶ際に確認すべきポイントを解説します。
求人票で確認すべきポイント
求人票に「賞与あり」の記載があっても、金額がわずかなケースや、支給実績が不安定な会社も存在します。以下のチェックリストを参考に、求人票や面接で確認してください。
- 支給回数:年2回(夏・冬)か、年1回か、決算賞与のみか
- 直近の支給実績:実際に支給された金額
- 固定給の水準:基本給が低い場合、賞与の算定基礎も低くなる
- 歩合給の比率:変動給の割合が高いほど賞与額は低くなりやすい
- 支給条件:在籍期間の要件(6カ月以上など)や査定基準の有無
また、「月給が高い求人=ボーナスが低い」という関係が成り立つケースもあります。これは歩合給の割合が大きいほど月収が高くなる一方、賞与の算定基礎となる固定給が低くなる構造によるものです。
月給の高さだけに注目せず、固定給と変動給の内訳まで確認することが重要です。
大手と中小どちらを選ぶべきか
ボーナスの水準という観点では、大手運送会社が有利です。経営基盤が安定しているため、賞与の支給回数・金額ともに安定しやすく、制度として整備されているケースが多くあります。
一方、中小規模の会社でも歩合制を活用することで、月収ベースでは大手の固定給+ボーナス体系を上回る年収を稼ぐドライバーは少なくありません。
「大手が正解、中小が不正解」ではなく、ボーナスを重視するなら大手・安定志向、月収を最大化したいなら中小の歩合制も選択肢という視点で選ぶと判断しやすくなります。
ボーナス込みで年収はいくら?車種別の目安と手当の実態
収入を基準に転職を検討する際は、ボーナス単体の金額よりも、年収トータルで会社を比較することが大切です。
以下は、令和元年から令和6年までの大型ドライバーと大型以外のドライバーの年収推移です。
| 年度 | 大型車 | 大型以外 |
|---|---|---|
| 令和元年 | 453万円 | 419万円 |
| 令和2年 | 454万円 | 419万円 |
| 令和3年 | 463万円 | 431万円 |
| 令和4年 | 477万円 | 438万円 |
| 令和5年 | 485万円 | 438万円 |
| 令和6年 | 492万円 | 437万円 |
トラックドライバーの年収水準は近年上昇傾向にあります。令和元年から令和6年にかけて大型ドライバーの年収は39万円、大型以外でも18万円ほど上昇しています。
参考:厚生労働省「自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト|統計からみるトラック運転者の仕事」
車種別(けん引・大型・中型・準中型・普通)の年収目安
主要な車種別の年収目安は以下のとおりです。
| 車種 | 月額賃金 | 賞与(年間) | 年収目安 |
|---|---|---|---|
| けん引 | 404,200円 | 約679,200円 | 約5,529,600円 |
| 大型 | 379,600円 | 約487,200円 | 約5,042,400円 |
| 中型 | 322,700円 | 約403,200円 | 約4,275,600円 |
| 普通 | 342,800円 | 約741,600円 | 約4,855,200円 |
表を見ると、けん引・大型ドライバーの年収目安が高い傾向にあります。これは、車両サイズが大きく、運転に必要な免許・技術の専門性が高いことに加え、長距離輸送や重量物輸送など、手当が付きやすい業務を担当するケースが多いためです。
一方で、中型ドライバーは年収目安が比較的低く出ています。背景には、地場配送・ルート配送など、長距離手当や深夜手当が付きにくい業務が多く含まれていることが考えられます。
また、普通ドライバーは賞与額が高く出ているため、年収目安では中型を上回っています。ただし、これは統計上の平均であり、実際の収入は会社規模・配送内容・歩合給・各種手当によって変わる点に注意が必要です。
参考:トラック協会「2024 年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」
昇給・各種手当の実態
昇給については、会社の規模や給与体系によって大きく異なります。
歩合制を採用している会社では「昇給」という概念が存在しないケースもあり、代わりに運行実績で収入が変動します。固定給ベースの会社では毎年数千円〜1万円程度の昇給が設定されている場合が多いです。
手当の種類は多岐にわたり、組み合わせによって月収に大きな差が生まれます。主な手当の例は、以下のとおりです。
- 無事故手当:一定期間無事故・無違反で支給
- 深夜手当:深夜帯(22時〜翌5時)の運行に対して加算
- 皆勤手当:無欠勤で出勤した月に支給
- 資格手当:けん引免許・危険物取扱者資格などに応じて加算
- 長距離手当(運行手当):長距離・宿泊を伴う運行に対して加算
これらの手当を合計すると月2〜5万円の上乗せになるケースもあり、年収全体への影響は無視できません。求人情報を確認する際は、基本給・歩合・ボーナスだけでなく、各種手当の内容まで確認しておくことをおすすめします。
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気になる会社が見つかったら、待遇欄に記載された固定給の水準・賞与回数・直近の支給実績を比較してみましょう。事前にボーナスや年収の目安を確認しておくことで、入社後に「想定より収入が少なかった」と感じるミスマッチを防ぎやすくなります。
まずはドライブエックスで求人をチェックして、自分の希望条件に合う会社を探してみてください。
トラックドライバーのボーナスに関するよくある質問
トラックドライバーのボーナスは年に何回もらえる?
一般的には年2回(夏・冬)の支給が多いですが、年1回または決算賞与のみという会社も存在します。また、業績連動型の決算賞与を設けている会社では、年によって支給回数や金額が変わることもあります。
求人票に「賞与年2回」と記載されていても、1回あたりの金額まで確認しないと実態が見えないケースがあるため、支給回数と実績の両方をチェックしましょう。
未経験・入社1年目でもボーナスはもらえる?
入社1年目については、支給条件に「在籍6カ月以上」などを設ける会社が多く、入社直後は満額もらえないケースがほとんどです。入社時期によっては、最初のボーナス支給時に在籍期間が短いため減額または対象外となる場合があります。
厚生労働省のデータでも、経験年数0年の年間賞与は大型ドライバーで約4万5,700円と、経験年数が増えた場合と比べて大幅に低い水準です。
ボーナスなしの会社でも年収は高くなる?
ボーナスなしの会社でも、歩合制により月収ベースで稼ぐ仕組みになっている場合、固定給+ボーナスの会社を上回る年収を得られるケースは十分あります。
大切なのは、月給・手当・ボーナスを合算した年収をトータルで比較することです。「ボーナスがない=待遇が悪い」と単純に判断するのではなく、給与構造全体を確認した上で判断しましょう。
転職するとボーナスの支給額は変わる?
転職先の会社によって支給基準・算定方法が異なるため、ボーナスが増える場合も減る場合もあります。前職と比較する際は、ボーナス額だけで判断せず、月給・各種手当・歩合給などを含めて、年間でどの程度の収入になるかを確認することが大切です。
また、入社直後は在籍期間が短いことを理由に、初回のボーナスが減額されたり、支給対象外になったりするケースもあります。支給条件や初回支給の扱いは、応募前や面接時に確認しておきましょう。
まとめ|ボーナスだけでなく給与構造で会社を選ぶのが重要
トラックドライバーのボーナスは、会社によって支給の有無や金額に大きな差があります。賞与ありの求人であっても、支給回数・支給実績・算定基準を確認しなければ、実際にどの程度もらえるのかは分かりません。
また、トラック業界では歩合給や各種手当で月収を高める会社も多く、ボーナスが少ないからといって必ずしも年収が低いとは限りません。大切なのは、ボーナス単体ではなく、月給・歩合給・手当・賞与を含めた年間の収入イメージで比較することです。
転職先を選ぶ際は、求人票の「賞与あり」という表記だけで判断せず、固定給の水準や歩合給の比率、直近の支給実績まで確認しておきましょう。
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